鉛の時代 Die bleierne Zeit (1981)

1981年ヴェネチア国際映画祭グランプリ受賞。

 

「ハンナ・アーレント」のマルガレーテ・フォン・トロッタ監督の作品ということで、

何の前情報なしに観たのですが、いやこれは硬派でまじめな映画ですね。

 

第二次大戦後、ヨーロッパで「鉛の時代」と呼ばれた1950年代を、

敬虔なプロテスタントの家庭で育った二人の姉妹、ユリアーネとマリアンネ。

 

物静かで従順な妹マリアンネに対し、

姉のユリアーネは、過激な言動が目立ち、

ギムナジウムでも落第をしたりする反体制派。

異なる個性ながら、学校で見た強制収容所の惨たらしいシーンの連続に、

二人そろって涙した思い出を共有する二人。

 

やがて、68年運動を経て、社会の価値観ががらりと変わった70年代、

姉妹のそれぞれの人生は、全く異なったものとなっていた・・・・

 

女性解放運動、自殺、赤軍派、テロリスト、独房、獄死・・・

実在のジャーナリスト、クリスティア-ネ・エスリンの自伝に基づくというあらすじは、

当時の変革期社会の実存の重さを表すキーワードに満ちています。

 

頑なに自らの信じるところを生きていく妹、マリアンネ役を演じるのは

ハーバラ・スコヴァ。

ニュー・ジャーマン・シネマを代表する監督の一人、

ライナー・ヴェルナー・ファスビンダーに見いだされたのを皮切りに、

本作でトロッタ監督に起用されたのち、

同監督の1986年の「ローザ・ルクセンブルク」、

1991年には、フォルカー・シュレンドルフ監督の「ホモ・フィーバー」、

2009年の「ヴィジョン - ヒルデガルト・フォン・ビンゲンの生涯 

(Vision - Aus dem Leben der Hildegard von Bingen)」

そして、2012年の「ハンナ・アーレント」など、

硬派な作品への出演が多いですね。

 

そんなスコヴァ出演作品の中で、ワタクシまだ見ていないのですが、

非常に気になるのは、

2008年公開の「カリー・ヴルストの発明 (Die Entdeckung der Currywurst)」。

 

 

カリー・ヴルストといえば、ケバブと並んで、

現在ドイツの国民食といっても過言ではないほどの人気を誇るスナック。

そのカリー・ヴルストが、 第二次大戦後、混乱期のベルリンで、

どのように生まれたのかを廻るお話(そしてたぶんコメディ)らしいのですが、

もうそれだけでわくわくしております。

 

ああ、早く見たい!

 

 

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