ニュー・ジャーマン・シネマ以降、ちょっとはじけたドイツ映画

 

60年代~70年代の、 ちょっと気難しいニュー・ジャーマン・シネマの縛りをほどいた後に、80年代にちょっと泥臭い作品が乱造された後、90年代以降、ドイツ映画全体がひとつの山を越えたというか、ひと皮向けた、なにか突き抜けた、と感じるのはわたしだけででしょうか。


ドイツ映画界の識者によると、ドイツ国内では90年代はほとんど取るに足らないコメディ映画しか作られなかった、と言うことなのですが、90年代も終盤に近づき、1998年に製作された『ラン・ローラ・ラン』 (独: Lola rennt、英: Run Lola Run)は、サンダンス映画祭でワールドシネマ観客賞受賞したほか、世界各国で好評をもって迎えられ、主演女優のフランカ・ポテンテも、一気にブレイクしましたね。


同作の監督は、2012年の『クラウド・アトラス』で世界的にも話題になったトム・ティクヴァ。ティクヴァ監督は、わたくし実はその数年前にドイツで公開された『ウインタースリーパー(Winterschläfer) 1997 』でチェックしていた映像作家です。

登場人物それぞれに、そのキャラクターを象徴する色を配し、雪にうもれる田舎町など、映像の色彩がとにかく美しい作品でした。


同監督はその後、2006年には、ドイツ人作家パトリック・ジュスキントのベストセラーの映画化作品、『パフューム ある人殺しの物語』を発表。さらにそして上述の4年がかりで完成し、ドイツでは2012年に公開された「『クラウド・アトラス』」と、話題作が続いています。

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