ハンブルク病 Die Hamburger Krankheit (1979)

「ある意味、エポックメイキング的な作品」(40代映画好きドイツ人男性談)、

ということなので拝見してみました、

Die Hamburger Krankheit (直訳: 「ハンブルグ病」)です。

 

カテゴリーとしては、 パニック映画&ロードムービーになるのでしょうか。

 

北の港町ハンブルクで、人々が次々と原因不明の病に倒れ、死んでいく・・・。

主人公の少女ウルリケは、医師セバスチャン、ソーセージ売りのヘリベルト、

アナーキーなオットカーとともに、パニックを恐れた政府による隔離を潜り抜けて、

南へ南へと旅を続ける。

途中に立ち寄った村で、また別の人々と合流したり、また別れたりしながら、

ドイツの南端、アルプス山脈の祖父の家に辿り着いたウルリケだが・・・

 

ということで、70年代のパニック映画っぽい感じはよく出てるのですが、

病気の原因はなんだったのか、とか最後になってもよくわからず、

隔離病棟の、罹患した人と、まだ発病していない人との

接触を避けるはずの仕切りが、堅固な防弾ガラスとかではなく、

指で簡単に破ることができるビニール製だったりして、

同時代のハリウッドのパニック映画に比べても、予算少ない感がにじみ出ていて、

個人的にはフラストレーションが溜まるばかりの映画でした。

 

どこがどうエポックメイキングなのか、誰か私に教えてください。

 

監督のペーター・フライシュマンは、ニュー・ジャーマン・シネマのグループに属し、

「ブリキの太鼓」のフォルカー・シュレンドルフとともに映画製作会社を作っているとのことなのですが、ごめんなさい、今まで名前聞いたことありませんでした。

フィルモグラフィーを見ても、日本で公開された作品がないようなので、許してください。

 

俳優陣の中の、主人公ウルリケといっしょに逃避行を続けるも、自身も途上で病に倒れてしまう医師セバスチャン役のヘルムート・グリームは、ベルリンを舞台にした米映画「キャバレー」(1972)で、ドイツ人男爵役を演じていた、と言われれば、ああ、と思いますが、本作中では特に印象深い演技というわけでもありません。

 

と、辛口の感想が続きましたが、主演の少女ウルリケ役、カーライン・ザイザーは、ぼーっと夢見ているようでいながら、たくましく逃避旅行を続けていく様子が、好印象。この人は、女優というよりも、その後は画家・彫刻家としての活動をメインになさっているようで、Facebookなどで最近の様子を伺うことができました。

 

 

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