大晦日なので - フォイヤーツァンゲンボウレ Die Feuerzangenbowle (1944)

大晦日、この季節に関連するドイツ映画をもう一本ご紹介。

「フォイヤーツァンゲンボウレ - Die Feuerzangenbowle」、

なんだか舌をかみそうな名前ですが、

フォイヤーツァンゲ(直訳: 火ばさみ)という道具を使って作られた、

 

ボウレ - 英語だとパンチになるのでしょうか、いや、ボウルという語もありますね - 

という飲み物の名前を、そのままタイトルにしています。

 

さてそれでは、フォイヤーツァンゲンボウレ、いったいどういう飲み物なのかといいますと、

まず、鍋あるいはやかん(独語:Kessel - ケッセル)の中に赤ワインを入れて、これを暖めます。

 

同時に、鍋(あるいはやかん)の上に、上述のフォイヤーツァンゲ(火バサミ)を置き、

そこに、ラム酒をたっぷりと浸したズッカーフット

(三角錐の形をした砂糖の塊。角砂糖の親分みたいな感じ?)

を載せて、これに火をつけます。

 

すると、青白い炎をあげながら、砂糖が燃え溶けてカラメル状になり、

鍋(またはやかん)の中の温められたワインに滴り落ち、

えもいわれぬ味わいの飲み物ができあがる・・・

という状況を想像してみてくださいませ。

 

 

家庭では、上のようなガラスのお鍋と、グラスのセットで楽しまれるようですね。

写真の左のすみっこに、ズッカーフットも見えています。

 

赤ワインに、ラム酒と砂糖が加わりますので、

アルコール度数、そしてカロリーも、ともに高くなりますが、

これが美味しいので困ります。

 

ドイツでは、冬の寒い時期になると、他にも暖めたアルコール飲料を楽しむことが多いのですが、

そのなかでも有名なのはグリューワイン(ホットワイン)でしょうか。

 

ドイツ各地のクリスマスマーケットなどには、必ずグリューワインの屋台が出ていますが、

ミュンヘンでは毎年、イザール門の広場に、フォイヤーツァンゲンボウレの屋台、というか、

大きなやかん(容量なんと9000リットルだそう!)をしつらえ、その下でボイラーを炊き、

48時間暖めた後、お客さんにふるまってくれる、期間限定のお店が出ます。

 

今年も新年6日までやっているそう。

本日、大晦日の晩は、真夜中の3時まで営業だそうですよ。

詳しくは、下のURLをごらんくださいませ。

 ↓

http://www.muenchner-feuerzangenbowle.de/

 

さて、話がちょっと映画から逸れましたが、本編です。

 

老年にさしかかった二人の男性が、フォイヤーツァンゲンボウレを飲みながら、

それぞれの過去を振り返る・・・

なんて実も蓋もない説明でしょうか・・・。

 

男性の一人、ドクター・プファイファー役を、

20世紀ドイツにおける、最も有名で、最も成功した俳優の一人に数えられる、

ハインツ・リューマン(Heinz Rühmann) が演じています。

 

コメントをお書きください

コメント: 2

Blogs